ナウマンゾウが闊歩した街「原宿」

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原宿といえば、若者向けのファッションやスウィーツのショップが立ち並ぶ、日本のポップカルチャーの中心地の一つ。その影響力は世界中から注目を集め続け、海外のアーティストも原宿のテイストを取り入れたド派手なCDジャケットや、原宿をイメージした楽曲などをリリースしたりと話題に事欠かないエリアです。

そんな原宿駅のすぐそば、明治神宮への入口となる神宮橋の地下から「ナウマンゾウ」の化石が発見されたことがあるのをご存知ですか?1971年地下鉄千代田線の工事の最中「あれ?これ何?え!ゾウ!?」という感じで発見されたようです。当時、既に大都会となっていた東京の地下から発見されたということで驚きの声が上がり世間を騒がせたと記録が残っています。

発掘された深さは地下21メートル

当時の状況を調べていくと、どのあたりで発見されたのか見やすい図面が出てきました。

参考資料「白根記念 渋谷区郷土博物館・文学館 常設展図録」

まさに神宮橋の真下に当たる凄い場所から出て来ちゃったわけです。工事作業員の人もそれは驚きますよね。

人類を日本に招き入れたのはナウマンゾウやマンモス?

ナウマンゾウはやマンモスは、当時陸続きだった日本とユーラシア大陸を渡って現在の日本で生活をしていたとされています。このナウマンゾウや、同時期にユーラシア大陸から渡ってきた動物を狩るために我々日本人の祖先に当たる人類が日本列島に足を踏み入れたなんていう説も。「腹へった。ナウマンゾウでも狩ろうよ。今夜は焼きゾウにしよう。」なんて話しながらナウマンゾウを追いかけてきたら日本に居着いちゃったのかも知れませんね(諸説あり)

参考資料「白根記念 渋谷区郷土博物館・文学館 常設展図録」

渋谷区はナウマンゾウの化石が他にも発掘されている

同じ渋谷区内では神宮前5丁目付近「北青山遺跡」の江戸時代の井戸付近でも見つかってます。それなりの数のナウマンゾウが渋谷付近で生活していた大きな証拠ですね。ちなみに原宿で発掘されたナウマンゾウの化石は、国立科学博物館に展示されています。現在は大都会となった渋谷原宿青山をナウマンゾウが我が物顔でウロウロしていた時代があったと回想しながら散歩すると少し違った風景が見えてきて楽しいかもしれません。

NIKEが原宿の歴史と若者を繋ぐ

さて、原宿のナウマンゾウ。現代の若者にはまず知られていない出来事でしたが今年思わぬ形でスポットが当たります。スポーツメーカーのNIKEが東京3地域の文化と歴史をモチーフにしたスペシャルなプロダクト”Culture Day” Pack(“カルチャーデイ” パック)を今年5月に発表しました。

現在ファッションやスニーカーに敏感な人達に大人気のスニーカー「DUNK(ダンク)」に原宿のナウマンゾウが落とし込まれ一躍話題に。これを機に原宿のナウマンゾウを知った人も数多くいらっしゃった様です。かつてこの場所を闊歩していたナウマンゾウをモチーフにしたスニーカーを何万年の時を経て現代の若者が履いて同じ原宿を歩く。なんだか面白い原宿の歴史ですね。

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