皆さんは「渋谷で5時」という曲をご存知ですか?
1994年にリリースされた鈴木雅之&菊池桃子のデュエットソングの金字塔です。
今でも語り継がれるこの名曲、いくつもの人間ドラマが生まれては消える「渋谷」という街にフォーカ スしていますが、歌詞に散りばめられた言葉から当時の渋谷を紐解く事ができます。
「ざわめく交差点の 風の中で 僕より先を急ぐ この想いが」
この「ざわめく交差点」は間違いなくあの交差点のことですね。
世界で一番有名なスクランブル交差点でしょう!リリース当時の1994年といえば約四半世紀前ですが当時もスクランブル交差点は今と変わらないざわつきを見せていたのだと容易に想像できますね!※1
「ときめきと云う 坂をのぼれば逢える」
渋谷にはいくつもの坂がある事は以前も紹介させて頂きましたが、このムーディな言い回しがされている坂はどこの坂なのでしょう?想像しやすいのはやはり道玄坂だったり宮益坂だったり……実はこの坂がどこなのかは、二番の歌詞が教えてくれます。
「シアタービルの中の 2階の店」
恐らく、現在もある渋谷の映画館渋東シネタワーの2階、道玄坂を見下ろせるカフェ、キーフェルグローバルクラブさんのことかと思われます。キーフェルグローバルクラブさんが現在の場所にオープンしたのは1991年、現在の場所に「喫茶館キーフェル」としてオープンしています。
CDリリース時期には既にオープンしている事、そしてシアタービルの2階に存在している事、シアタービル事シネタワーは道玄坂沿い。歌詞とも一致する事から「ときめきと云う坂」は道玄坂であった事を確信させてくれます。
ちなみに、ロケ自体は同じ渋谷でもBunkamuraにあった渋谷シティホテルの中の「RAIZ」というお店だったそうです。映像でもBunkamuraらしき屋根の様なものが確認出来ますね。ビデオを良く見てみると鈴木雅之さんが「メロンソーダもう一杯」と言っているシーンがあります。余程美味しかったんでしょうね、私もメロンソーダを当時のように飲んでみたかったのですが、現在は違うお店が入っていました。無念です。
ビデオを見ると、頻繁にBunkamuraが出てきており、当時は現在よりも渋谷で影響力のある建物であった事が想像できますね。
その他にもハチ公前や、現在は地下に潜る東横線が地上にある事が確認出来たり、現在はモディになっているマルイシティや109など渋谷を象徴する映像が満載です!
三千里薬局が背景に。ハチ公前でしょう。
現在のモディ、当時は丸井渋谷店本館という名前でした。
当時地上にあった東急東横線が見えます。
YouTubeにある映像を確認してみると、現代との違いを感じる事ができる場所が多々あります。歩く若者たちの姿も、どこか一昔前の雰囲気も。1989年に109が「SHIBUYA 109」に変わってから渋谷は若者の街へと大きく変化したと言われています。この楽曲がリリースされた頃は既にバブルも弾けた後ではありましたが、映像からもどこか若者の強いエネルギーを感じますよね。
鈴木雅之さんが「若者文化の発信地としての渋谷をアピールしたい」という思いを持って作られたこの曲は、今もなお多くの人に愛される渋谷を代表する一曲です。皆さんも、渋谷のカラオケに行った折にはぜひ歌ってみてはいかがでしょう!
※1ビデオが公開されたのは改めてシングルがリリースされた1996年と言われてますので、1995年くらいのスクランブル交差点かと思われます。