渋谷の地下といえば…「しぶちか」それとも、「フードショー」? 東急線? いろいろありますよね。
では、地下広場や連絡通路の、そのもっと下に巨大雨水貯留施設があるのはご存知でしたか? 最大貯留量約4000トンという雨水貯水池、「あめちょ」。この施設が作られた理由、それは渋谷の地形と深い関係がありました。
渋谷は名前に谷がついています。すり鉢状の地形で、道玄坂や宮益坂といった坂に囲まれた駅は、その底辺に位置します。そのため、豪雨時などに駅方向に雨水が流れ込み、近年のゲリラ豪雨など気候変動の際は問題視されてきました。
1999年の大雨では渋谷の地下街が浸水してしまい大変な被害を受けました。渋谷駅の周辺で土地の区画整理事業に取り組む東急と都市再生機構が、事業の一環として2011年から雨水貯水池の設置工事を始めることになったそうです。
工事が始まった2011年、渋谷はご存知の通り東京の三大ターミナルであり、若者も集まる眠らない街でした。毎日300万人が渋谷駅に乗り入れをして、朝から晩まで人も車もひっきりなしに動いています。その合間を縫って、雨水貯留施設の下に下に掘っていく工事は、とにかくスケジュールのすり合わせが大変。そんな中、終バスから始バスまでの合間で少しづつ進められました。しかも地下には渋谷川が通っており、河川の上に作れないため、その区間の渋谷川を移動させました。
さぁ、そうして作られた雨水貯水池。
どれほどの雨水が貯められるかというと、なんと4000トンです!……なんて冒頭にもお伝えしていますが、パッとどんなものか想像がつきませんよね。学校にある25mプール約13杯分だそうです!雨量が20ミリを超えると、一般的に眠っている人も起きるほどの音がするレベル。そのさらに上である50ミリ、バケツをひっくり返したような雨が一時間降っても大丈夫な想定が4000トンです。たまった雨水は天候回復後48時間かけてポンプでくみ出し、明治通り地下を通る既設の下水道幹線(古川幹線)に排水し下水処理施設に流れつくようにできているそうですよ。
2027年までまだまだ続く再開プロジェクト。進化する渋谷をこれから支えていく巨大雨水貯留施設「あめちょ」は、渋谷に安心と安全を届けてくれそう。そんな渋谷の街はこれからも多くの人に愛され続けるでしょう。
本記事は一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントHP(https://shibuyaplusfun.com/)の情報を基に作成しています