渋谷にまつわるエトセトラ“渋谷からケンタッキーが消えた日”

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働く人はもちろん、学生や地方からの観光者、海外からの旅行者など、たくさんの人が集まる渋谷。
そんな人たちが気軽にご飯を食べるため、便利なのがファストフード店ですよね。全国どこでも同じ味が比較的安価で食べられるので、安心でもあります。
渋谷にも多くのファストフード店があり、モーニングやランチから、夜遅くまで多くの人が利用しているのが見受けられます。

しかし、そんなファストフード店で人気の「ケンタッキーフライドチキン」が昨年2022年12月に渋谷から姿を消しました。少し寂しいこのお別れを、渋谷のあゆみと共に振り返ってみましょう。

1930年にアメリカ・ケンタッキー州のレストランにて、カーネル・サンダースがフライドチキンを売り始めたのがルーツである、ケンタッキーフライドチキン。その後、フランチャイズ化を経て、全米はもちろん、イギリス、メキシコ、ジャマイカなどでも店舗展開し、国際的に成功した初めてのファストフードチェーンとなりました。
日本では1970年の大阪万博の際に期間限定で初出店し、大成功。その後、名古屋や大阪を中心に店舗展開を始め、1972年に東京1号店である「青山店」をオープン。現在はこの青山店が日本最古のケンタッキーフライドチキン店舗になります。

現在では多くの駅前やエリアで見かけるケンタッキーフライドチキンですが、渋谷には1985年4月25日国内500店舗目としてオープンした渋谷公園通り店がありました。1985年といえばバブルがすぐそこまでやってきている年で、10月にリリースされたレベッカの「フレンド」が大ヒット、同年の12月には渋谷公会堂でレベッカの伝説のライブが行われました。

2010年にはケンタッキーフライドチキン渋谷公園通り店が「次世代店舗」への挑戦としてリニューアルされました。ターゲットを若い女性に絞り込み、メニューにバリエーションを増やし、ローストチキンや飲むデザートなどの商品も販売していたそうです。おしゃれな内装や当時は珍しかったハイカウンターチェアなどが話題になりました。しかしその後、2014年9月15日に閉店されています。

また、日本がアテネオリンピックで盛り上がった2004年の8月9日、道玄坂にも3階建てで座席数が100席を超える大型店をオープンしました。道玄坂という立地で、ビジネスマンから若者まで多くの人が集まっており、食事はもちろん打ち合わせなどにも使われていましたね。

そんな渋谷で多くの人の胃袋を支えてきたケンタッキーフライドチキンですが、昨年末の2022年12月16日に道玄坂店もひっそりと閉店をしていました。おそらくエリアの再開発でビルの建て替えではないかとの噂です。
今のところ、渋谷での店舗再開の予定もなく、もう渋谷でカーネル・サンダースさんにお会いすることはできなくなりました。

たくさんの思い出とチキンをありがとう。またいつかケンタッキーが渋谷に戻ってくることを願わんばかりです。

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