渋谷の各地名の由来 代官山町編

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渋谷区には沢山の地名があります。それらの地名を少し深掘りしていってみようというのがこちらのコーナー、第三回はシブテナが昨年新店舗をオープンさせていただきました「代官山町」を解説します。
代官山町と言えば、東京、渋谷だけに限らず日本国内でも「おしゃれな街」として有名なエリアです。大使館や高級住宅が立ち並び、渋谷区とは思えないほどゆったりとした時間が流れています。

ヒルサイドテラス。

しかしその名前は「代官」そして「山」と今の街並みとあまり繋がらないように感じますよね。名前の由来は「お代官様の屋敷があったから。」「お代官様の管理する山林があったから。」「お代官様の管理する土地だったから。」などと複数の説が唱えられています。ただ、驚くべきことにこれらを証明する書物などは一切残っておらず、意外にもその由来は完全に謎なんだそうです。いずれにしてもお代官様が大きく関わっていた事は間違いがないようですね。
代官山町は江戸時代には既に存在していたと言われており、江戸名所図会にも富士山がとてもきれいに見える場所、として記されています。当時、地方の藩士の多くは代官山町の地形に魅力を感じ、屋敷を建てたと言われています。現在、代官山町のT-SITEがある場所も、かの有名な水戸黄門の水戸徳川家の屋敷があった場所のようです。権力や財力を持つ藩士にとって非常に人気のある地域だったようですね。

歌川広重『名所江戸百景』第25景。現在の中目黒、駅目黒川付近から代官山方向を描いた絵。富士山がよく見える。

少し話はズレますが、水戸徳川家の屋敷の跡地は、現在の代官山町の原型を作ったとされる朝倉家の所有地となり、その後2007年頃までNTT猿楽町社宅とノースウェスト航空の社宅でした。15年程前の記録ですがずいぶん昔の事のように感じますね。

NTT猿楽町社宅の看板
思ったより庶民的なイメージです。
この奥にノースウエスト航空の社宅があったそうです。

古くから残る地域ほど明確な名称由来が分からない、と言う事が多いように感じます。日本有数のおしゃれな街と言われる代官山町にも、もしかすると他に大きな由来があるのかもしれませんね。第三回は第一回と同じ”諸説あり”の結果になりました。次回もお楽しみに!

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