渋谷の各地名の由来 神宮前編

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渋谷区には沢山の地名があります。それらの地名を少し深掘りしていってみようというのがこちらのコーナー。第二回は「神宮前」を解説します。

神宮前エリアは表参道、竹下通り、明治通り沿いを中心に有名ブランドの旗艦店やセレクトショップ、カフェなどが点在する最新トレンドの発信エリアとして賑わいを見せる、若者を中心としたファッションカルチャーの発信地。何故このエリアが「神宮前」と名付けられたかというと理由は単純明快で「明治神宮」の「前」だからです。1丁目から6丁目まで存在する神宮前ですが、明治神宮創建前はどのような名前だったのでしょう?

明治神宮

現在の神宮前は「千駄ヶ谷村」「穏田村」「原宿村」「竹下町」「宮下町」「青葉町」という別々の村や町が合併した形で名付けられました。実は神宮前という名前になったのは1940年。住居表示の実施により、原宿一丁目~三丁目を中心とする区域の町名が神宮前一丁目~六丁目と名付けられました。千駄ヶ谷は今も地名として残っていますが、現在もしっかりとした地名として残っているのは極僅かです。JR原宿駅に対して「何故原宿という名前がないのに原宿駅なんだろう?」と疑問を持っていた方や、竹下通りがなぜ竹下なのか?と感じていた方もいらっしゃると思いますがここに理由があったことが伺えますね。

2009年くらいまではミニ原宿村、という当時を思わせる看板が駅にひっそりと存在していたのを覚えています。

その他、穏田村の名前は神宮前5丁目にある穏田神社として残り、宮下町はMIYASHITA PARKなどの名称で今も親しまれています。これら全てを神宮前として纏めてしまっていいのか?という議題は上がったようで、原宿もしくは穏田を残そう!という議論が繰り返されたそうです。双方とも長い歴史を持つ名前だったこともあり選ぶことができずに新たな名称である「神宮前」で落ち着いた、なんというお話も残っているようです。

穏田神社

明治神宮の創建にあたり参道として整備された大通りが表参道です。一般的に原宿・青山地区を指して「表参道」と呼ぶことは割と知られたお話かもしれませんが、この辺りの現在の地名は明治神宮をベースに考案されたものが数多くあることが分かります。

創建時に青山通りから表参道奉祝大鳥居のアーチを遠望した光景を撮影した一枚。この大きな通りが表参道です。

第二回は割と命名理由がしっかりとしていた神宮前でした。渋谷の現在の地名は掘れば掘るほど面白い過去が出てきます。第3回もお楽しみに!

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