【渋谷区銭湯コレクション】渋谷最古の銭湯「改良湯」

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みなさん、銭湯はお好きですか?ひと昔ふた昔前は風呂無しの住居は日本中に存在し、そこに住む人たちの憩いの場として銭湯は愛されてきました。現在の住居には当たり前にバスルームが存在する時代になりましたが、世界に名だたる大都会である渋谷には今も銭湯が存在します。一般的なスーパー銭湯と違い「公衆浴場」と呼ばれるものは区内に「11」。多いのか少ないのかはわかりませんが、どの銭湯も味のある素敵な銭湯です。今回はその中でも最古の歴史を持つ「改良湯」さんについて紹介したいと思います。

改装前の店舗に飾り付けられていました。

改良湯の創業は1916年、既に1世紀を経過した超老舗の銭湯です。幾度の戦争や震災の度にリニューアルを繰り返しながら2018年に大規模リニューアル。『渋谷CROSSING』をコンセプトとして多くの人の交流の場になるべく銭湯を使った様々な催し物などを行なわれています。

今井健太郎氏によるデザイナーズ銭湯です。

さて、そんな改良湯さんについて少し解説をさせて頂きます。外観は驚くほど大きなトレードマークのクジラが描かれており一目で「ここが改良湯だ!」と分かります。脱衣所もシンプルながらも清潔感溢れる仕様です。浴室内はいくつもの間接照明と、銭湯絵が織りなす、魅惑の異世界。富士山が描かれた懐かしい銭湯も良いですが、ここ改良湯は過去と未来を融合させたハイブリッドさを感じる超オシャレな空間です。お風呂は42度の中温風呂と38度の炭酸風呂があります。炭酸風呂は高濃度炭酸泉を導入しており柔らかい感じのお湯が特徴的でつい長風呂をしてしまいがち。とても居心地が良いのです。

海と太陽を表現した銭湯絵。近未来としか言いようがありません。
こんなに間接照明ばかりのオシャレ銭湯には筆者は初めて行きました。まるでカフェです。

ここ数年は世間にサウナのムーブメントが巻き起こっているようですが、この改良湯ももちろんサウナはあります。大きなサウナストーンを挟んで大体10-15人くらいが入れる空間でしょうか。こちらも間接照明。定期的に走るオートロウリュウは非常に熱く、しっかりと汗のかける極上空間です。BGMはジャズの日もあればアップテンポなダンスミュージックの日もあり、様々なバリエーションが楽しめます。筆者が前回伺った際にはJamiroquaiのSpace Cowboy (David Morales Classic Club Remix) が鳴り響いていました。スタッフさんによるアウフグース(サウナ室の中でタオルを振り回し熱波を送る事)はアロマの香りが実に心地良く多くの人がその熱波に身を預けていました。どうやらこの改良湯、サウナでも全国的に名を轟かせる超人気店のようです。お話を聞いてみたところ、サウナに並びができてしまうこともあるようで、浴室は入れてもサウナで人数制限をかけることもあるそうです。サウナがあるということは当然水風呂もあります。最大3〜4人程度のスペースは15度前後に保たれ、柔らかくて気持ちの良い水質でした。浴室外には所謂「ととのいスペース」が存在します。屋根付きの室外スペースに椅子が並んでおり、数名の方が「ととのい」を楽しまれていました。

暗がりの中でしっかりと蒸されるサウナは全国屈指の人気サウナでした。

水風呂まで間接照明でした。

100年以上の歴史を持ちながらも、地元に古くから住む人はもちろん、現代の若者まで虜にし続ける改良湯。その名の通り「時代にあった改良」を今後も続けていくことを期待したいと思います。

改良湯(かいりょうゆ)
東京都 渋谷区 東2-19-9 金山ビル
03-3400-5782

月曜日~金曜日 15:00~24:30
日曜日・祝日 13:00~23:00

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