代官山でのご褒美時間に「Queen‘s Collection Chocolate Café」

公開:  更新:
この記事をシェアする

新たなランドマークとして注目を集める新複合施設「フォレストゲート代官山(ForestgateDaikanyama)」。そこから目と鼻の先にある、小さな飲食店「Queen‘s Collection Chocolate Café(クイーンズ コレクション チョコレート カフェ)」は、多くのメディアでも取り上げられるほど流行のカフェでありながら、地域の人たちの憩いの場にもなっています。今回はそんな癒しカフェのオーナー山田美樹さんにお話を聞きました。

代官山に訪れる若い子たちから、愛犬のお散歩をする代官山マダム、そして地域のおじいちゃんまで虜にしてしまうカフェの魅力とはいったいなんでしょう??

留学先で出会った“ご褒美カフェ”が忘れられず

「もともと大学で幼児教育学を専攻していました。在学中に英語や海外への関心が強くなり、卒業後はカナダのバンクーバーへ留学しました。帰国後、当時日本では免許がなかった児童英語講師の修了書を取得するためオーストラリアに渡り、チャイルドケアセンターで働きながら、日本人の子どもに英語を教えるための児童英語講師の学校に通いました。」

店頭に立つ山田さん

「その時に住んでいたパディントンは、シドニーが隣とは思えないくらい穏やかな雰囲気と緑が豊かな街で、おしゃれなカフェやファッション店がたくさん並んでいました。その中に私のお気に入りのチョコレートカフェもあり、カフェの前を通る度にチョコレートの香りに癒されました。頑張った日は立ち寄る、自分へのご褒美のようなお店でした。」

思い出のカフェを懐かしそうに話してくださった山田さん。帰国後は大手子供英会話教室に就職。そこで関東エリアの統括にまでなったものの、子どもに接し英語を教えたり、本来したかったことが叶わず仕事に追われていく生活に「あのチョコレートカフェが日本にあったらな〜」と思い出すことが増えたそう。

その後、結婚をしてご主人の起業を手伝うことになり離職し、ご主人の事業である飲食業界へ。一年ほどして少し落ち着いたところで、ご主人から「前から話してるチョコレートカフェを自分でやってみたら?」と背中を押され、カフェの立ち上げを考えるようになったそうです。すると、不思議と必要な情報や条件が舞い込んできて、引き寄せられるように起業することになりました。

看板メニューの『Queen’s Hot Chocolate』に使用するチョコレート

「そこからは自分の理想のチョコレートカフェをオープンするために、メニューやレシピ、材料、場所、店名、ユニフォームデザインなど、0から自分で考えていきました。やはり、原点はオーストラリアで癒されたパディントンのあのカフェでした。物件がこのエリアになったのも、パディントンと代官山の空気が似ていたので“ここしかない”と思い決めました。」

アロマを焚くようにポットでホットチョコレートを

2009年に会社を設立、2010年にカフェがオープンし、山田さんの思い描く優しい空間は、おしゃれな若者はもちろん、地域の人々も癒し、代官山の人気カフェとなりました。最初は半地下の隠れ家的なカフェでしたが、コロナを経てテイクアウトもできる今の場所に移転。つい先日14周年を迎えました。14年間ものあいだ、人々から愛されるお店のこだわりや秘訣はなんでしょうか?

白を基調にまとめられた店内

「カフェのこだわりとしては、一人で来ても癒され、くつろげる空間。その日の気分によって、好きなチョコを選べたりフレーバーを足したりしながら楽しめることです。オープン当初から一番人気の『Queen’s Hot Chocolate』はアロマポットの様な陶器を使用し、キャンドルでミルクを温めて、そこにお好みのチョコレートを溶かしながら召し上がって頂くホットチョコレートです。今日はダークチョコ、今度はホワイトチョコ、次はローズシロップを入れてみようなど、その日の気分でカスタマイズできます。」

一番人気の『Queen’s Hot Chocolate』

「あとは代官山という街と地域の方々に支えられてここまでこられたと思っています。14年間、たくさんのメディアに取り上げて戴き、地域イベントにも参加させて戴いたり、代官山商店会のお仕事も手伝わせて戴きました。じつは私はこの14年の間に息子を2人出産しています。お腹の大きな妊婦が営業してるカフェなんて魔女の宅急便でしか見たことないような出来事ですが、それが叶うあたたかさがあるのが、ここ代官山ですね。」

平日は近隣で働く人やお住まいの人がコーヒーを飲みながら読書を楽しみ、週末はカフェ好きやチョコ好きな若者で賑わう店内は、代官山特有の空気感と優しい時間が流れているように感じます。ここにくる人はみんなのんびり、豆を挽く時間やチョコが溶ける時間を楽しんでいくのでしょう。

お互いのモラルを信じて成り立つ貴賓ある街

引き寄せられるように代官山に住み、代官山商店会では事務局も務め、すっかり代官山に魅了されている山田さん。最後に、彼女から見た代官山の街について聞いてみました。

「代官山に住む人、ご商売をされてる人って、お互いのモラルを信じていているんですよね。そんな人たちの貴賓と温かさがつくる街です。敷居が高いように感じますが、人情味に溢れていて、上品な雰囲気にちょっと背筋が伸びるのも心地良いです。」

テイクアウト用の小窓が可愛らしいお店

「また、街は日々進化しています。カフェを開業したときには、フォレストゲートさんはもちろん、T-SITEさんもまだありませんでした。そういった大きな移り変わりも見てきましたが、“代官山”の名の下では進化であって変化ではないのかなと思います。『あの頃の代官山が好き』、『あの頃の方が良かった』など、代官山のへの想いは人それぞれでしょうが、“変わらないものがあり、取り入れるものもある、錆びない街”だと私は感じています。」

笑顔の素敵な山田さん

そう力強く話し終えたあと、私なんかが偉そうに言えたことではない、と恥ずかしそうに謙遜して笑った山田さん。この笑顔や人柄もまたこのカフェの魅力となり、代官山を彩っていきます。そして、オーストラリアで山田さんが出会ったあのカフェのように、今日も誰かの“ご褒美”として、ホッと一息つける場所になっているのでしょう。

まだまだ寒さの続く季節、甘いホットチョコと明るい笑顔に我々もほっこり温まるインタビューでした。

公開: