緊急事態宣言で街の灯りが消えるなか、ポツンと残った光。それは街灯でした。
コロナ禍、眠らない街「渋谷」も電気が消えてひっそりと街灯だけが灯り、どこか寂しそうな雰囲気になっていました。雨の日も風の日も、お祭りの日も緊急事態宣言中も街灯は渋谷を見守ってきました。その街灯、じつはエリアによってデザインが違うのはご存知でしたか??いつも見ているようで、見逃している渋谷の街灯について、ちょこっと豆知識をお届けします。
渋谷の街灯。今回は再開発で賑わう渋谷の中で、今もなお昭和のノスタルジックな雰囲気が漂う不思議な「しぶや百軒店」の街頭編です。
しぶや百軒店、ここはかつて渋谷の顔として賑わいを見せた通りであり、渋谷カルチャー発祥の地でもありました。関東大震災後は百貨店をイメージした商店街として渋谷の復興を牽引し、1945年には東京大空襲で全焼したものの、戦後はジャズ喫茶やテアトル映画館など文化的要素を取り入れて賑わいました。
そんな「しぶや百軒店」の街灯、これまたじつに味のあるいい街灯なんです。
キャンプブームに先駆けたかのような、可愛いランタンの形でキチッとシェードも被っています。そして、その下には今までになかった提灯が!場所によって赤と白のバリエーションがあり、粋にも陣笠をさしています。もちろん、こちらも飾りではなくちゃんと点灯しますよ!提灯には筆で「百軒店」の文字が入っています。日が落ちればすっかりネオン街に変わるこの通りですが、このデザインはパッと目を引いていました。
このエリア、かつてはちょっとマイナーな印象もありましたが、最近はおしゃれなお店が増え、このノスタルジックな雰囲気がかっこいいと若者や外国人観光客からじわじわと人気を集めているんです。以前紹介した、「鳥かつチキン」や「喜楽」といったご飯屋さんや、飲み屋なども多く建ち並んでいるので、風情ある提灯付き街灯が光るのを横目に、フラフラと飲み歩きしたいものですね。