緊急事態宣言で街の灯りが消えるなか、ポツンと残った光。それは街灯でした。
コロナ禍、眠らない街「渋谷」も電気が消えてひっそりと街灯だけが灯り、どこか寂しそうな雰囲気になっていました。雨の日も風の日も、お祭りの日も緊急事態宣言中も街灯は渋谷を見守ってきました。その街灯、じつはエリアによってデザインが違うのはご存知でしたか??いつも見ているようで、見逃している渋谷の街灯について、ちょこっと豆知識をお届けします。
渋谷の街灯。今回は再開発で新エリアとして最も注目を浴びている桜丘にある「さくら通り」の街頭を紹介します。
さくら通り、通称さくら坂と地元の人に愛されるここは、渋谷エリアでも一位、二位を争う桜の名所です。この桜は明治維新の際に薩摩軍江田隊長がこの地区を住宅地として開発し、その際に桜の木を植えたといわれています。
そんなさくら坂の登り口に建つ街灯、かわいいんです。
10年ほどまえに建てられたというこの街灯は共栄会では装飾灯と呼ばれ、数本のみ。スクエアの柱で、今までにない形状で正面には「さくら通り」と記載されています。その上がすっぽり抜けたデザインで、その上は桜色になっています。さらにライトの部分は透明で桜の模様が施されているんです。夜ライトが点灯してしまうとわかりにくくなってしまいますが、昼間の状態だと太陽の光が透けて桜模様が写し出されますよ。
じつはこの街灯、あと一年半で取り壊しが決まっているんです。再開発にと主ない新たな道路ができるため、その道路に合わせて新しい街灯が設置予定です。
毎年この街灯が満開の桜をライトアップし、多くの人を喜ばせてきましたが、来年の桜が最後になります。
現在再開発が進み、より賑わいを見せるこのエリア。変わっていく街を訪れるもよし、桜を楽しみにするもよし、街灯を見にいくもよし、楽しみ方がたくさんあるさくら通りでした。