店舗やオフィスを探す時、どんなテナントさんであっても広さのことは必ず考えますよね。皆さんは広さを考える際にどんな単位を使いますか?世の中の常識からすると『㎡(ヘイホウメートル)』を使って表現するのが一般的ですよね。1辺が1メートルの正方形を1㎡(ヘイホウメートル)とする、小学生でも分かる世界共通の単位です。
住居を探す際には『帖(ジョウ)』を使う人も少なくないですね。『畳(ジョウ)』と書いたりもしますが文字通り畳(タタミ)一枚分の広さを表し、㎡に換算すると1.62㎡となります。タタミ何枚分という考え方の名残が今も残っているのでしょう。
そして店舗やオフィスを探す際に圧倒的に使われる単位が『坪(ツボ)』となります。ちなみに㎡に換算すると約3.3㎡となります。不動産及び建築関係の方でない限りあまり目にすることのないこの『坪(ツボ)』という単位について今回は深掘りしていこうと思います。
そもそもの話にはなりますが現代は広さの単位としてはメートル法が世界標準なっています。日本の計量法(列記とした日本の法律)においてもメートル法が基準となっており、坪(ツボ)表記は1960年代に計量法の中においては廃止されております。従って契約書や登記情報等の公的書類に用いられる広さの単位は全てメートル法に沿った平米表記の使用が義務付けられており坪表記が用いられることはありません。(補足で平米表記の後に括弧書きなどで記入しているケースはあります。)そんな法律で認められていないこの坪という単位が根強く残る理由を一言で表すと”不動産業界の慣習”なのです。
では1坪は具体的にどんな広さなのか?約1.818m×約1.818mの正方形の広さを表します。計算すると3.305…㎡となります。3.3平米で計算される方が多いでしょう。
具体的なイメージを掴むために例を挙げておきます。
<例1> 1人暮し用の1ルーム 20㎡〜30㎡は何坪?
20 ÷ 3.3 = 6.06坪
30 ÷ 3.3 = 9.09坪
1人暮し用の1ルーム 20㎡〜30㎡は約6坪から9坪になります。
<例2> 家族用の3LDK 60㎡-70㎡は何坪?
60 ÷ 3.3 = 18.18…坪
70 ÷ 3.3 = 21.21…坪
家族用の3LDK 60㎡-70㎡は約18坪から21坪になります。
<例3> 10人程度の中規模事務所100㎡-120㎡は何坪?
100 ÷ 3.3 = 30.30…坪
120 ÷ 3.3 = 36.36…坪
10人程度の中規模事務所100㎡-120㎡は約30坪から36坪になります。
坪という単位に慣れない人はまずはご自身の住んでいる部屋の広さを坪に換算してみるところから始めるのが良いでしょう。
ところで坪(ツボ)という呼び方の由来はどんなところにあるのでしょう?諸説あるそうですが最も有力なものを紹介いたします。
上記でも説明した通り坪は約1.818m×約1.818mの正方形の広さを表します。この広さを測る際に昔の人はとてもアナログではありますが自分の足の歩幅を利用したそうです。(実は現代でもこの方法を使う方は多いです)足を揃えた状態から右足を出し、次に左足を出すまでを一歩とし丁度1.8mくらいになる。1.8mは1坪の正方形の1辺になります。この約1.8m歩幅を利用して何坪あるか計算したそうです。歩く際の歩数の数え方として1つ歩(ヒトツホ) 2つ歩(フタツホ)3つ歩(サンツホ)4つ歩(ヨンツホ)と数えたそうです。この最後の2文字のツホというところを切りとって”坪(ツボ)”という単位ができあがったそうです。
なぜ坪という単位がなくならないのか?そもそも坪とは古くより日本に存在する尺貫法のなかの単位の一つです。他には“寸”、”尺”、”里”、”反”、”町”という単位があります。尺貫法は中国を起源としアジア諸国で利用されている単位です。アジア人の体型に合わせた単位なので日本人にとっても使いやすい単位なのです。今でも日本の製品は尺貫法にのっとって製造されたものが多くなっいます。特に建築業界において規格としてつくられている資材の殆どが尺貫法にのっとったサイズ展開となっているようです。これらの文化がなくならない限りは尺貫法は日本に根強く残ることとなるでしょう。アメリカにおいてインチやヤードという単位がなくならないのは日本と同様に古くからの慣習が残っていることが大きな理由なのでしょう。
最後に坪に関連してこれから店舗やオフィスを探す人にアドバイスがございます。それは”坪単価”を意識して物件を探して欲しいということです。
大手チェーン店でもない限り、店舗やオフィスは頻繁に借りるものではないです。
住居のように情報が多いわけではないので自分が興味を持っている物件が高いか安いかは判別つきにくいですよね。その際に基準となるのが坪単価です。1坪いくらなのか?ということを考えてみてください。賃料÷坪数をしてください。その際に共益費や管理費を含めて計算することをお勧めします。この坪単価が物件がお得がどうかの判断基準として有効となります。駅からの距離、階数、築年数によって価格は変動しますが渋谷においては坪単価が2万円をきればリーズナブルな部類になるかと思います。是非物件選びの際には坪単価に注目してください。シブテナでは必ず坪単価を物件詳細に載せておりますので是非参考にしてみてください♪