忠犬ハチ公象のお話。

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ハチ公像といえば、渋谷の待ち合わせ場所の定番中の定番。皆さんご存知かもしれませんが、ハチ公像とは実在した秋田犬「忠犬ハチ公」をモデルにしています。飼い主であった近代農業土木学の父、上野英三郎氏がこの世を去った後、何年間も渋谷駅に通いその帰りを待ち続けたお話はあまりにも有名です。この美談は1987年に『ハチ公物語』として映画化され大ヒット。2009年には海を越えハリウッドでリメイクされました。アメリカ版ハチ公物語『HACHI 約束の犬』はアメリカ人の涙腺を崩壊させ、感動の嵐を呼びました。現在でも評価の高い作品です。

さて、そんなハチ公像。実は渋谷だけはなく日本各地に点在してるってご存知でしょうか?

まずは同じ東京にあるハチ公からご紹介しましょう。東大農学部のキャンパス内にあるハチと上野教授の像です。この像は2015年に建てられ、飼い主だった上野英三­郎・東京帝国大農学部教授と触れ合う嬉しそうなハチ公が銅像となっています。「やっと会えたね」と聞こえてきそうな心温まる銅像です。

次は秋田県大館市にあるハチ公像。大館市には3つもハチ公像があります。1つ目は大館駅前。2つめは秋田犬会館。3つ目はハチ公生家。ハチの生まれ故郷でもある大館市は秋田犬発祥の地でもあります。この大館市と渋谷区は2023年に迎えるハチ公生誕100周年を前に交流協定を結んでいます。

秋田駅前のハチ公象
秋田犬会館
ハチ公生家

また、渋谷・ハチ公前広場に設置されていた「東急5000系車両(愛称=青ガエル)」は現在秋田県大館市の「秋田犬の里」に移設されました。渋谷区と大館市はハチ公によって素敵な交流が続いているそうです。

つい先日まで渋谷にあったイメージのある青ガエル

最後に紹介するのは三重県津市。ここは飼い主である上野教授の出身地。津市内の近鉄久居駅東口には、上野教授とハチ公が向かい合う仲睦まじい姿が銅像化されています。ちなみに津市もハチ公の故郷である大館市としっかりと交流が行われており、上野教授とハチ公のような素敵な絆を感じる事が出来ますね!

東大とはまた違う教授とハチ公を表現しています

そして番外編。なんと海外にもハチ公像があります!アメリカ東部ロードアイランド州ウーンソケット市の旧駅舎前。『HACHI 約束の犬』のロケ地となった場所であり、映画に感動した現地の学生達の発案で学校から市に寄贈されたのだとか。

アメリカにあるハチ公象

ハチ公は渋谷でその名前を世界に知られる存在となりました。この記事を書くにあたり、ハチ公の一生を調べたり、映画を見たりしましたが、一途に上野教授を思うハチ公の姿を知った上でハチ公像を眺めると暖かな気持ちになります。こういう素敵なお話は未来を担う子どもたちへ伝え続けていきたいですね。

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