スペイン坂の名前の由来?ペンギン通り、オルガン坂、そしてまさか…渋谷の独特な名前の坂道

公開:  更新:
この記事をシェアする

渋谷の中でも若者が溢れるエリアとして有名な宇田川町。そんな宇田川町の西武百貨店のA館とB館の間に位置し、東急ハンズ方面まで続く道のことを井の頭通りと呼ぶことは周知の事実でしょう。

それではこの井の頭通りの別れ道として続く、いくつかの坂道を皆さんご存知でしょうか?それぞれの坂道にはユニークな名前が付けられておりどれも個性的なものとなっております。今回はそんな井の頭通りより派生する坂道をご紹介致します。

①スペイン坂
井の頭通りを歩き数分ほどの所にある赤い建物、Bershkaとマツモトキヨシの間にパルコへと続く細い坂道がございます。こちらの坂道のことをスペイン通りと呼んだりスペイン坂と呼んだりします。

その昔、この通りにはスペイン風の内装で統一していた”阿羅比花”という喫茶店が有名だったそうです。阿羅比花は内田裕夫さんという方が切り盛りされていました。そんな内田さんに対して1973年より渋谷に開業したパルコがこの坂道のネーミングを依頼したところ自らの喫茶店の雰囲気にちなんで”スペイン坂”という名前をつけたようです。


時代の流れとともに店舗の入れ替わりは勿論ございますがパルコへの抜け道として人通りが絶えることは今でもございません。人気の喫茶店、お洒落な美容室、ライブハウス会場、雑貨屋など様々な文化が交差する坂道としてこれからも繁栄することでしょう。

②ペンギン通り
上述のスペイン坂を通り過ぎ、井の頭通りをさらに東急ハンズ方面に歩いたところ、元フランフラン(ガラス張りのの建物)とアイスクリーム屋さんの間に坂道が再びございます。こちらの坂道には”ペンギン通り”という名前がついております。

この通りにペンギンのように可愛らしく平和な人々が集まるようにという願いをこめて1980年前後につけられた名前のようです。また当時サントリービールのマスコットとしてペンギンが使用されておりそのペンギンがとても可愛らしく人気だったことの影響も大きかったようです。ネーミングの由来はやや苦しいですね。。。汗
そこまで長い坂ではないですか飲食店や足ツボマッサージ店やナイトクラブなどが立ち並びます。

またこの坂道は”愛山通り”という名前も持っています。明治から大正にかけて歴史評論家として活躍し「豊太閤」「西郷隆盛」「足利尊氏」などの著書で有名な”山路愛山”が長くこの通りで暮らしていことが由来だとされています。今でもなおその碑が残っています。

③オルガン坂
井の頭通りをさらに歩き東急ハンズを超えたところに3つ目の坂道がございます。他の二つより道幅の広く交通量も多いこちらの坂道は”オルガン坂”と呼ばれております。

通りの周辺にはレコード屋を中心に機材屋、ライブハウス、ナイトクラブなどの音楽関係の店が多かったところからオルガン坂と命名されたようです。また東急ハンズの入り口にある数段の階段がオルガンの鍵盤のように見えるから、という説もあるようです。

オルガン坂の左側を上り鋭角に左折する細い道のことを”無国籍通り”と呼びます。この無国籍通りは人気のアパレルショップや焼肉店などが所狭しと立ち並ぶ興味深いエリアでもあります。

④番外編
スペイン坂、ペンギン通り、オルガン坂と井の頭通りに接する坂を3つ紹介しましたが最後にもう一つだけご紹介致します。井の頭通りのより渋谷駅近くにある西武百貨店B館の隣ALANDとLOFTの間に公園通りに続く緩やかな坂道がございます。こちらの坂には”間坂(まさか)”という名前が付けられています。

1989年にLOFTが一般公募を行なった結果、命名された名称だそうで、「渋谷駅と公園通りとの間」「ビルとビルの間」「まさか!という語呂のよさ」「間という漢字が与える人と人との関わり」というような理由から採用された名前だそうです。

皆さま全てご存知だったでしょうか?普段渋谷の大通りばかり使ってる方もたまにはこの坂道を抜け道として利用してみてはいかがでしょうか。どの坂道も個性があって面白い発見が必ずございます!!